二の丸御殿を出て進むと、広々としてきれいに整備され木々の緑も鮮やかな二の丸庭園(国の特別名勝)が広がりました。

二の丸御殿の中は撮影禁止でしたが、庭園から大広間がある建物(左)が撮影できました。

左下は旧桂宮邸を移築したという本丸御殿 御常御殿(ごじょうごてん)、下が本丸御殿の車寄せです。

本丸御殿は玄関や台所を含めた4棟からなる御殿だそうで、二の丸御殿と本丸御殿は雰囲気が違うなと思ったのですが、あるサイトで“二の丸御殿が将軍家の生活を今に伝えるものだとすれば、本丸御殿は宮家のかつての生活を伝えていると言ってもいいのではないでしょうか”と書かれてあり、その通りだなと感じました。

1750年に落雷により消失し、再建されることなく現在に至っているという天守閣跡も天守台が残っていて、上がってみました。結構急な石段を上がると本丸御殿や庭園などが一望でき、お堀沿いには少しですが色づいた紅葉も見ることができました。


北中仕切門です。

3代将軍の徳川家光によって造営された、二条城内の北部(本丸の北辺)を東西に分ける門だそうです。


これがドラマ『宮本武蔵』に登場した、二条城の北側にある北大手門(きたおおてもん)です。

“姫路城天守幽閉を解かれ出てゆく武蔵、北大手門の外から門内をのぞき込むアングルでロング、背景に天守を合成。ずっと沢庵と話ながら歩いてきて、門のところで別れる”というシーンに使われたそうです。
(まだ私は確認できていないのですが、そのシーンにこの北大手門がどのように出てくるか、見るのが楽しみです)

築城400周年記念 展示・収蔵館です。

“昭和57年に重要文化財指定を受けた二の丸御殿障壁画の原画を恒久的に保存するため、二条城築城400年を記念して、平成16年3月に竣工し、平成17年10月10日に開館しました。当施設は、御殿における配置のままで障壁画を鑑賞することができる仕組みを取り入れた収蔵庫の一部をガラス越しにご覧いただくことができる画期的な設計となっています。“

私達が行った時には、将軍の居間、寝室として使われていた白書院の水墨画が展示されていました。
二の丸御殿の中を見て回った時に、“ここの襖絵は展示・収蔵館にあります”というように書かれた札が各部屋にありました。華やかな襖絵や水墨画など、どの部屋の襖絵も複製でも素晴らしかったので、ぜひ実際に見たいと思い入りました。

すると上の写真のように大きな展示・収蔵館なのに、展示されていたのは一~二部屋分くらいの襖絵しかなく…。
なぜだろうと思い入口でもらったパンフレットを見てみると、展示室はこの建物の3分の1ほどで大部分が収蔵室になっていたのです。

展示は年4回50日程度ずつ、テーマごとに入れ替える形で行われているとサイトに書かれているのを帰宅後に見て納得しました。

入ってすぐに見始めた時には描かれた水墨画が薄めに見え、やはり年代が経っているからなのかなと思っていたのですが、一回りしてイスに座って一息つき、ふと見てみるとちゃんと見えてきました。外の日差しでまぶしいくらいの明るさのところから少し暗いところに入ったので、目が慣れていなかったようです。

将軍のプライベートな部屋ということで内部の装飾も落ち着いたもので、襖絵も水墨画に統一されているとのこと。中国の西湖の湖岸の風景を描いたものや人物や鳥、雪景色などが描かれていましたが、華やかな襖絵では落ち着かないと思いますし、白書院を水墨画で統一したという理由がわかるようでした。

二条城を出る頃にはもうお昼近くになっていました。
「こんなに広くて見どころがたくさんあって時間がかかると思わなかったですね~」と話しながら、ちょうどいいくらいの時間に着きそうだからと前日に決めた焼肉店へ向かいました。